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「のびやかに羽ばたいていってください」第93回卒業式 式辞

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 第93回卒業式が執り行われ、6年生が卒業していきました。 校長の式辞を紹介します。 6年生の皆さん、卒業おめでとう。とうとう和光小学校を離れる日が来てしまいましたね。 戦後 80 年の節目の年、第 39 回沖縄学習旅行団として 10 月に皆さんと沖縄学習旅行に行ったちょうどその時、伊江島で「命に勝るものはない」「命が大事」と話してくれた謝花悦子さんが沖縄県功労者を受賞したという知らせが入りました。平和活動に力を尽くしたということでの受賞です。謝花悦子さんは「戦争は絶対に起こしてはいけません」ということ、そして「どうして戦争が起きたのか、どうして戦争が始まるのを止められなかったのかを考えないといけません」と話されました。皆さんは、答えを見つけられたでしょうか。 3 学期の始業式にアメリカがベネズエラを攻撃した話をしました。数週間前にはアメリカとイスラエルがイランを攻撃しました。しかしそのことに対して日本ははっきりと NO とは言っていません。けれども 81 年前に原爆が投下された長崎の被爆者の団体は「今回の攻撃はいかなる理由があっても正当化できない暴挙」であると抗議しています。同じように広島の被爆者たちも抗議活動を行いました。沖縄では、沖縄に駐留している米軍が中東に派遣されたという報道に「沖縄がイラン攻撃の拠点になるのは許せない」と反対行動が起きました。広島も長崎も沖縄も、壮絶な体験をし戦争の悲惨さが語り継がれ、生まれてきた思いであり声です。私たちは、沖縄や広島、長崎の声にしっかりと耳を傾けるべきではないでしょうか。武力で平和は守れません。武力で平和はつくれません。皆さんは、沖縄学習を通して身体全体を使って学んできました。私たちは、事実にしっかり目を向け、想像力を働かせ、そこから学ばなければいけません。それが和光小学校が大事にしてきた学びです。 2月に行われた劇の会の6年2組の劇では、あれは沖縄で学んできた玉木利枝子さんのことばだな、沖縄で学んできたことを表現したのだな、という場面がいくつもありました。6年1組の劇は、「日常こそ宝」というメッセージを受け取りました。このような日常があるということが平和なのだと感じました。和光小学校での学びがぎゅっと詰まった劇の会だったと思います。この先もたくさん学んで、平和な社会を創るためにその学びを活かしてくだ...

劇の会~クラスづくりの集大成の取り組み~

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和光小学校2・4・6年生、そして和光幼稚園星組(5歳児)の劇の会が終わりました。和光学園では、中学校でも1年生と3年生が劇に取り組みますし、高校でも選択授業で劇に取り組んでいます。学園をあげて、劇を通して表現すること、皆で創り上げること、そして劇を通してお互いを理解することを大事にしています。 小学校の劇は、台本選びから演出、衣装、音響、照明まで自分たちで行います。6年生は、どのようなテーマにしたいかから話し合います。今年の6年生の劇は1組が「荒野と町と用心棒」、2組が「キジムナー」でした。1組は、皆の意見を聞いて「タイムトラベル」「ファンタジー」「探偵もの」の作品を演出委員の人を中心に探して皆で決めました。最後の最後まで「どうしたら低学年にも伝わる劇になるか」「自分たちはこの劇で何を伝えたいのか」を考えて本番に臨んでいました。ネタバレしないように気をつかっていた1組、音響一つとってもこだわりが感じられました。喧嘩もあるけど日常こそが宝だよね、というメッセージを受け取りました。2組は、沖縄の木の精霊であるキジムナーを通して沖縄戦、そして戦後の土地闘争、と沖縄を見つめる劇でした。舞台のガジュマルの木が何とも素敵な空間を作り出し照明をうまく使っていました。そして10月に6年生と沖縄学習旅行に出かけた時に聞いた体験者の話が劇のセリフや演出にちりばめられていました。人間の欲に翻弄される沖縄やキジムナーが浮かび上がっていました。暗いシーンだけでなく、笑ってしまうところもたくさんあり、バランスの良さを感じました。 子どもたちの劇をみて素晴らしいと感じたのが、どの子も楽しんで堂々と演じていることです。和光の子どもたちは本当に表現するのが好きなのだなと思いました。もちろん恥ずかしそうな子もいるのですが、それでも覚悟のようなものを感じる表情でした。そして、相手に合わせて柔軟に演じ分けていることです。和光のような劇づくりでは、日によって表現が変化します。その変化を感じ取り、舞台の上で相手に合わせて柔軟に対応する姿は、日頃の学校生活の積み重ねがあってこそです。 劇の会の週半ばにゲネプロがあります。ゲネプロではうまくいかないこともたくさんあります。だからこそそこから劇がさらによいものになっていきます。また、ゲネプロは教員の研究の場でもあり、劇としてさらなる高みを目指すために色々と意見がでま...

「一日一日を大切に…」3学期が始まりました

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  新年あけましておめでとうございます。 本年も和光小学校のことをよろしくお願いします。 3学期のスタートは、全校が集っての始業式です。 先生たちを代表して、帯刀校長が話をしました。 あけましておめでとうございます。皆さん、冬休みはいかがでしたか? 私は、岩手や山形、長野、新潟に行きましたが、どこに行っても聞こえてきたのが「あたたかい年末だね」「雪が少ないね」ということでした。地球温暖化が進んでいることを感じた冬休みでした。 さて、5日前、アメリカがベネズエラを攻撃して、大統領をつかまえました。ニュースを目にした人もいると思います。今回のアメリカの攻撃によって 57 人が亡くなったとも 80 人が亡くなったとも言われています。なんでアメリカがベネズエラを攻撃したかというと、麻薬という悪い薬がベネズエラからアメリカに持ち込まれるとして、その首謀者が大統領だということです。アメリカに連れて行って裁判をしようとしています。アメリカがベネズエラを攻撃する前にも、「麻薬を運んでいる船」とみなしたベネズエラからの船を 30 回以上も攻撃をして、すでに 100 人以上を殺害してきていました。でも本当の狙いは、ベネズエラの大統領を交代させて、アメリカと仲のいい政権を誕生させて、世界最大の埋蔵量と言われているベネズエラの石油を狙っているとも言われています。トランプ大統領は、次の政権が決まるまでアメリカがベネズエラを運営すると言っています。どうしてそのようなことが許されるのでしょうか。武力で他の国の政府を倒す、そのような権限がどうしてアメリカにあるというのでしょうか。とってもおかしいなと思います。色々な国からも「武力行使の禁止」や「主権侵害」で国際法に違反すると指摘されています。今、このようなことが行われてしまう世界であるということはとっても怖いですし、そんな社会をつくってしまう大人たち、それは私を含めてですが、情けなく思います。6年生は沖縄学習を通して学んできたと思いますが、武力で何とかしようとする世界をつくってはいけません。和光小学校が大事にしているように、話し合いを通して解決していく世の中になってもらいたいなと思います。 今日から3学期が始まります。3月には6年生は卒業しますし、それぞれにとってまとめの学期でもありますね。2年生、4年生、6年生の劇も楽しみにし...

子どもたちにとってあそびは栄養! ~子どもの森の魅力~

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和光幼稚園・和光小学校の子どもの森には、ツリーデッキがあります。数年前、幼稚園の保護者ボランティアである「森をつくる会」で作っていただいたものです。(「森をつくる会」では毎年、築山を整備してくださったり、砂場道具入れやパーゴラを作ってくださったり、井戸を掘ってくださったり・・・おかげで子どもの森がとても豊かな環境になっていっています。) このツリーデッキの斜面を滑っておりる、または勢いをつけて下から斜面を登ることは幼稚園の子どもたちにとってはとてもスリルがあるものです。滑ってみようと上まで登ってみたけれどやめたり、友だちの姿をじっと眺めていたり、揺れる姿がたくさんあります。保育者は、そのような子どもの葛藤に寄り添いながらも、手を貸すことはしません。また、「やってみたら?」というような声かけはしないように意識しています。ここまでならできそう、と自分で決めたものでないと危ないからです。木登りも同様です。保護者の方にもそのように伝えています。 「ちょっと怖い、けれどやってみたい!」ツリーデッキは子どもたちの魅力になっているようで、ツリーデッキを攻略しようと挑む和光幼稚園の子どもたちです。勢いをつけて下から上まで斜面を登ることは簡単にはできません。最近では、「手に唾をつけるといいよ!」ということが子どもたちの中で広がり始めました。さらに、坊主頭の子が「頭の汗を手につけると滑らない!」と頭をこすったり、中には「歯磨き粉をつけると滑らないらしい」と家からこっそり歯磨き粉をつけて登園する子などが現れています。子どもたちは色々試しながら、こうやったらどうかな、と考えたり工夫しながらあそんでいます。そこが子どもたちにとっての最大の魅力、おもしろさなのかなと感じています。 そして「こうやるといいらしい」がじわじわと拡がっていくことがいいなと思います。一緒に考えあったり、友だちがやっている姿を見て真似たり・・・関わりの中で拡がっていくからです。その魅力も大きいのでしょうね。友だちの変化もよく見ていますし、友だちに手を差し出して引っ張ってあげようとする姿もあります。 小学生が子どもの森であそんでいる鬼ごっこもとてもおもしろそうです。凸凹だらけ、山もあり、枝などの障害物だらけの中で行う鬼ごっこは自分の身体を環境にあわせて巧みに動かし、色々なものをかわしながら遊ぶおもしろさがあるのでしょう。そ...

子どもたちの表現、素敵だな

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和光小学校では、自分を表現することを大事にしています。授業の中で自分の意見を出したり、歌や絵で表現したり、踊ったり、あのねノートや生活ノートに日々感じたことを綴ったり、友だちとの関わりの中や話し合いの場でも自分を表現しています。子どもたちののびやかな表現にいつも心を揺さぶられます。 表現の世界の一つに詩があります。どの学年でも、様々な詩に触れ、また自分でも詩を作ります。3年生の学級通信に「春」「かぞく」「学校」というテーマで子どもたちが作った詩が載っていましたので、紹介しますね。 しんゆう よくいっぱいあそんでる よくケンカする よくごはんたべにいく よくことばがかぶる よくいっしょにおもしろいことをしてる よくふくそうがにてる 春の虫 いえにくもがやってきた ぼくたいじした つぎにトカゲがやってきた ぼくがまたたいじした ぼくはいえのスーパーマン いえはいいよね いえはいいよね だってゆっくりできるんだもん ふとんでねて カードゲームして テレビみて たまにはしゅくだいとかして で、ゆっくりおふろにはいって またゆっくりふとんでねる それができたらもう まんぞくだね 子どもたちの表現がとても素敵です。

算数レポートがおもしろい

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今日は、6年生の算数「単位あたり量」のレポートを共有したいと思います。 それぞれが興味あることをテーマに決めて、「単位あたり量」を調べてきました。ある生徒は、冬休みに箱根駅伝をテレビで見て、優勝した青山学院大学の「100メートルあたりの速さ」を調べてきました。すると、1番速いのは6区の100メートルあたり16秒、1番遅いのが5区の20秒、他は17~18秒ということがわかりました。彼は、自分が運動会の時に測ったグラウンド一周(おおよそ100メートル)のタイムが18秒だったので、自分が全力ダッシュで走った速さで20キロ以上走り続けているということ、テレビではわからないけれどすごく速いということ、体力がすごくてそのためにはすごく練習したのだろうと感想に書いていました。 ある生徒は、家の近くの環八通りがいつも混んでいるので、どのくらい車の流量があるのかを調べてきました。2日にわたり、3か所で3回計測し、1番通った台数が多かったもので計算しました。その結果、日曜日に1分間あたり42台が通っていて、日曜日のほうが混んでいるようだ、とまとめてきました。他の通りから右折する車が多いと渋滞になりやすいことにも気づいたそうです。 「たけのこの里」が好きなある生徒は、「たけのこの里」を色々なお店で購入し、どのお店が安いのか、1箱あたりいくつ入っているのかを調べ、1個あたりいくらなのか、平均はいくらなのかを調べてきました。結果、自分の予想に反してスーパーではなくある薬局が安いこと、1箱あたりの数が多くは30個なのに31個のものもあること、一番安いお店だと1個あたり5.3円になるのに対し、一番高いお店(コンビニ)だと1個あたり9.5円になること、平均は1個あたり7.1円だったということです。 他にも、自分の生活から身近なものをテーマにして算数と結び付けたおもしろいレポートがたくさんあったようです。自分の生活実感が「単位あたり量」として数字で表され、「算数の世界」から実感する・・・和光小学校で大事にしている学びです。

色々な考えの人がいるからおもしろい

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  和光学園報「創立91周年記念特別号」に寄せた文章をこちらに転載します。 9月に和光小学校へ卒業生が来て語る機会がありました。彼女は幼稚園から高校まで和光学園で過ごし、今は大学生です。小学校や高校の頃の思い出を色々な角度から話してくれましたが、小学校では沖縄学習旅行が一番印象に残っているそうです。小学校の時は「基地反対」の考えだったが、高校の授業の中で抑止力という考え方を知ってもやもやしたこと、その後、改めて基地をもつことは平和を遠ざけているのではないかと考えるようになった、6年生の時の学びがあったからここまで辿り着けたと語っていました。 彼女の話の中で特に心に残ったことが二つあります。一つは、「討論がおもしろかった」と言っていたことです。自分と反対の意見を聞くと「理解できないな」と思うこともあるけれど、ある部分はそうだよなと納得できたり、それで自分の意見が変わっていくことがおもしろいと言っていました。幼稚園から小学校、中学校、高校・・・と、相手を論破する討論ではなく、違うところも認めながら対話を基にした討論を積み重ねてきたことが伺えました。もう一つは、彼女が色々な角度で話すエピソードが「常に葛藤している」ということです。「無知は楽」と彼女は言います。高校の授業で学んだ「ファストファッションやアイスクリームが途上国の児童労働と繋がっていること」等を知ることで、知らなければ何も感じないで生活できるのに、知ることでそれでも安くて買ってしまう自分と葛藤し続けていました。一方で、知らないって怖いとも言っていました。誰かの不幸の上に成り立っていていいのかな、と。和光の授業の中で、白とも黒ともつかない問いをたくさん与えられて、今も葛藤し続けていました。和光の授業を通して物事を追求すること、考え続けることを教わったとも言っていました。 彼女の話を聞きながら、和光が目の前の子どもから、生活や現実社会から出発した教育づくりをしていることの重要性を感じました。社会はまさしく簡単には答えの出ないことの連続です。しかし、答えが出ないからといって考えるのをやめてしまうのではなく、考え続けること、そのことが社会を創っていくことになります。 幼稚園児だった時の彼女を思い出しながら、こんな素敵な大人に育っている姿をみて、私は和光学園の教育の確信を得ることができました。そして、それがまた和...

校園長ブログ 「幼稚園の保護者の皆さんの声から」

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 和光幼稚園・和光小学校では、保護者の皆さん同士でたくさん交流します。月1回の保護者会(親和会)を中心とした顔を合わせての交流もあれば、クラス通信を中心とした紙面を通した交流も日常的にあります。こうやって子どもたちのありのままの姿を知り合い、子どもってすごいね!と喜びあったり、悩みを語り合って、子どもたちの成長を見守れる場があることは、和光幼稚園・和光小学校の宝だと思っています。今日は、和光幼稚園のクラス通信から、いくつか抜粋し紹介させていただきます。 〇初めての親和会では、先生とみなさんのお話を聞きながら、この場所では悩みごともなんでも包み隠さず話せそうだし、話そう!と思うことができました! 〇当初、「幼稚園に行ったら預かり時間が短くて自分の仕事する時間がとれなくなる」という正直ネガティブな考えを持っていたのですが、和光幼稚園に来たことで、子ども以上に親である私自身が園生活を楽しんでおり、毎日の先生のお話や素敵なお母さんたちとたくさんお話を重ねていくうちに、「あ!こういう時はきっとこうすればいいんだな」という自分なりの子どもとの向き合い方が見えてきて、育児がとても楽しくなりました。 〇和光に転園してきて、ちょうど1年くらい経ちました!まだ1年?って思うくらい濃い思い出がたくさんできています。それは先生を始め、親子さん達が育児をすごく楽しんでて、親も楽しいからなのかなぁ。子どもたちの幼稚園での成長を身近に感じることができて、とても嬉しいです! 〇親和会を終えて、悩みや心配を素直に話できる環境って良いなと改めて思いました。毎月保護者が集まって話するってこと自体が珍しいと思います。毎日のお迎えで先生の話を聞き、親同士が会話をし、頻繁に届く写真付き通信に目を通し。そして何より、先生たちがとても生き生きしている!楽しそう!!良い環境が整っていると思います。(中略)来月の親和会は七夕かな♪いわゆる保護者会を楽しみに待てるって本当になかなか珍しい現象だと思っています(笑)。 〇親和会お疲れ様でした。先生からの子どもたちの話も、お母さんたちの話も面白くて笑いっぱなしの楽しい時間でした!子どもたちのありのままの姿をこうやってみんなで笑い合いながら共有して見守っていけるこの環境が、改めて有難いなぁと思いました。 〇(前略)花組の時にいつもウンチだけトイレでできない子がいたので...

第91回卒業式 校長式辞

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  6年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 小学校生活は長かったですか? 短かったですか? 今、思い出すのはどの場面でしょうか。 私は、皆さんが6年生になる時に和光小学校に来たので、皆さんが6年生の時の姿が印象に残っています。 中でも、この1年間沖縄について皆さんと学んできたことです。 沖縄学習は、まさに和光小学校の集大成の学びだと思いました。 1・2学期は、和光小学校の先生たちとの学びを中心に、沖縄について様々な角度から学んできました。 沖縄戦で亡くなった24万人の方々の名前を読み上げるプロジェクトにも参加して、伊江島で亡くなった方の名前を読み上げました。 10月には、実際に37回沖縄学習旅行団として沖縄に行って、玉木利枝子さんや謝花悦子さんのお話を聞いたり、沖縄戦で人が人じゃなくなるようなことが起こったことを肌で感じ、伊江島や辺野古では、まだ戦争の問題が終わっていないことも知りました。 3日目の夜の学級集会では、自分とは違う色々な感じ方、考え方があることを知り、自分の考えもまた揺さぶられたと思います。   東京でも議論は続きました。 戦争は起こしてはいけない、ということは多くの人が感じたと思いますが、では基地をどうするかの議論になると、答えはでません。 答えが出ないことに、皆さんはどう感じますか?   面倒だから考えるのをやめてしまいますか? 私は、この「答えが出ない」ということがとても大事だと思っています。   社会ではそういうことがたくさんあります。 答えが出ないから関心をもつのをやめてしまうのではなく、関心を持ち続けるということです。 それが社会を創っていく、ということです。 まさきさんは、沖縄戦やその後の出来事を「教育」というキーワードで考えていました。 言われたことをそのまま受け取ってしまったから戦争が起きる。 でも、自分たちも同じではないか。 学校で教わったことを何も考えずに鵜呑みにしたら、もちろん言われている中身は戦争の時とは違うけれど、でもそこから自分がどう考えるかが大事ではないか、と言っていました。 教育とはまさにそういうものだと思います。 これからも考え続ける人になっていってもらいたいと思います。 そこには、和光小学校で感じたこと、学んだこと、培ったことが引っかかってくることでしょう。  ...

保護者が楽しい幼稚園・保護者も楽しい幼稚園

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12月に幼稚園の冬まつりが行われました。久しぶりのもちつき復活です! (コロナ禍は中断していました。)朝からグラウンドは活気が溢れていました。お湯を沸かしたりもち米を蒸かすかまどの釜からは湯気が立ち上ります。かまど係の方はまだ暗いうちから来てくれて火を起こしてくれていました。そしてもちつきスタート! 「ヨイショー!」「ヨイショー!」という元気な掛け声があがります。その声と熱気に、子どもたちも続々と集まってきます。登園してきた親子も足を止めます。なんといってももちをついているお父さんたちの楽しそうな顔! その奥には、調理室でもちをまるめて味をつける準備をしてくれている係の方々が見えます。時折もちつきを覗いては掛け声をかけてくれます。 この日は、24臼もの餅をつきました。久しぶりのもちつきですので、コロナ前に体験した保護者の方たちはもう卒園してしまっています。ですので、今回は卒園した保護者の方もヘルプで来てくれていたり、妹弟で在園している方がリーダーになって引っ張ったり。あぁこうして和光幼稚園の大事な文化が引き継がれていくのだなということを感じました。つきたてのおもちはとっても美味しかったです。 あそびのコーナーでも保護者の皆さんは大活躍です。係になって子どもたちとあそんでくれました。そして締めの民舞サークルのお母さんたちの演舞です。岩手県の中野七頭舞という和光小学校4年生が踊る踊りに挑戦して、みせてくれました。それがまたとても素敵で! 踊りもさることながらとにかく踊っている皆さんの楽しそうなこと! まさに青春のようでした。 今の時代、孤独になりがちな子育てにおいて、こんな繋がりがある和光幼稚園っていいな!貴重だな!と感じました。和光幼稚園は「保護者が楽しい幼稚園・保護者も楽しい幼稚園」です。

沖縄学習旅行が繋げてきたもの

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今年で37回を迎える6年生の沖縄学習旅行が来月に迫ってきました。それに先立ち今月沖縄学習旅行の下見に行ってきましたが、そこで沖縄学習旅行が37回続いてきたからこその思いがけなく嬉しい話をいくつか聞くことができました。 例えば・・・県庁にご挨拶に伺うとなんと対応してくださった方は嘉手納小学校6年生の時に和光小学校と交流してその後しばらくA子さんと文通で交流していたとのこと。何とも嬉しい話でそこにいたメンバー皆で盛り上がりました。 例えば・・・今年平和ガイドをしてくださる若梅会の方は、20年前の17歳の時に和光小学校の沖縄学習旅行で自分の調べた平和学習について子どもたちの前で語ったことが今に繋がっているそうです。 また、ある平和ガイドの先生は「和光の沖縄学習があるから証言者の方々や平和ガイドの方々と繋がることができた」と涙ながらにおっしゃってくださいました。 昨年、一昨年と大学院生の時に和光小学校の平和ガイドをしてくださった方と沖縄の新聞社で再会する(就職されるそうです)ということもありました。 3.11があった年もコロナ禍でも続いてきた和光小学校の沖縄学習旅行の重みと繋がりを感じる下見となりました。 来月の沖縄学習旅行では、6年生が実際に自分の体で自分の肌で自分の耳で自分の目で、様々に沖縄の歴史や沖縄の今を感じて、自分がどう生きるかが揺さぶられる体験になるといいなと思っています。  

人との出逢いの意味、皆で学ぶ意味

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7月は幼稚園は5歳児、小学校は全学年が合宿やキャンプに出掛けました。私は、幼稚園合宿と、3年生の秩父合宿、4年生の奥多摩合宿に同行させてもらいました。3・4年生の合宿は、現地の方との色々な出逢いがあり、その学びの大きさ・豊かさを実感してきました。 今日はその一部を紹介したいと思います。 3年生は、合宿初日に秩父の養蚕農家のKさんに会いにいきました。桑畑やカイコを育てているところを見せていただいたりしました。その後、Kさんへの質問タイムがあったのですが、まぁ色々な質問が出るわ、出るわ。それがまたとてもおもしろいのです。 「(家がカイコだらけだけど)Kさんはどこで寝ているんですか?」 なるほど! 私は人間の住居は別にあるだろうと想像していましたが、子どもたちはおうちでカイコを飼っているので、一体どこで寝ているのだろうと思ったのですね。 こっちが私の住んでいる家です、と教えてくださったあとに、Kさんが子どもの頃は、この(人間の)住居でカイコを飼っていたことがあり、その時は、カイコが畳を上げた居間にいて(寝て)、Kさんたちは廊下で寝ていたとのこと! 子どもの質問から、養蚕農家の当時の生活が浮かび上がりました。 「Kさんが好きなのは、たまごですか?一齢ですか?二齢ですか?三齢ですか?四齢ですか?五齢ですか?繭ですか?」 え? 考えたことなかった! Kさんもそんな表情に見えました。 そして、少し考えたあとに、「うーん、繭かな?」 大事に育てたカイコが繭になった時が嬉しいからだそうです。 他にも、「なんで(カイコではなくて)御蚕様(おかいこさま)というのですか?」という質問で、カイコを大事にしてきたことがわかったり、「養蚕農家になるのは夢でしたか?」という質問で、養蚕について学ぶ学校に進学して、跡を継ぐのが当たり前だったこと、この地域で19軒あった養蚕農家もいまや2軒になったことなどがわかりました。 もっともっと色んな質問が出ていました。「なんで?」がどんどん出てくるのがいいなぁと思いました。 そして、どの質問も、私には思いつかないものばかり! ‘大人には思いつかない’と言っても過言ではないでしょう。 そして、その質問に対する答えから、私の学びも深まり、養蚕農家の生活や歴史、それを事実としてだけではなくKさんを通して感覚としても伝わってきて、知ることができました。子どもたちの学び...

「規律」って何だろう?

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  「どうやって規律を教えていますか?」と質問されることがあります。 「規律」とは何でしょうか? 広辞苑には、一番目に「人の行為の規準となるもの」と書かれています。 人の行為の規準・・・それって教えることなのでしょうか。 「規律」は大事ですよね。もしそれぞれが好き勝手に生活していたら心地よくない人が生まれてくるでしょう。でも一方的に大人の感覚で大人の価値観を押し付けることはしたくないなと思います。子どもが納得していなければ、意味がないからです。また、考えない子どもになるからです。子どもはとても敏感ですから、それを求める大人の前だけいい顔をする子どもになるかもしれませんし、大人への信頼が薄れていきかねません。何も考えずに大人の言ったことを受け入れる子どもになってほしくもありません。 「規律」とは、そこに存在する人たちで、皆が心地よく過ごせるように、皆で創っていくものだと思います。時代によっても違うでしょうし、文化によっても違うでしょう。 当然、一緒に過ごす大人として、自分の気持ちは伝えたいと思います。大人の立場として伝えたいこともあります。そして、共に生活する子どもたちの気持ちも聞いて、色んな人たちの思いを知りながら、自分たち(子どもも大人も)で、よりよい生活・社会を創っていきたいです。 子どもは真っ直ぐで真っ当です。よほど大人よりもどうやったらうまくいくかを真剣に考えています。そうやって自分たちの生活を創り出している和光小学校と和光幼稚園の子どもたちを誇りに思います。

「こどもの日と子どもの権利条約」

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  5月5日は「こどもの日」でしたね。お子さんがいるご家庭は、子どもたちの健やかな成長を願ってお祝いをしたでしょうか。我が家では、菖蒲湯に入り、柏餅を食べました。(定番ですね!) 和光幼稚園では、GWに入る直前に、「子どもの日集会」という全園集会が開かれたり、こいのぼりが泳いだりしました。5歳児(星組)の保護者の皆さんが、子どもたちのために作ってくれたこいのぼりも泳いでいます。 「こどもの日」は、1948年の祝日法公布によって、すべてのこどもの幸福をはかる目的で制定されました。世界では、国連で「児童の権利に関する条約」が制定された11月20日を「こどもの日」にしている国も多いようです。 「子どもの権利条約」が国連で採択されたのが今から34年前です。日本は、29年前の1994年に批准しました。 29年経って、子どもたちの権利は守られているでしょうか。 子どもたちにとっての最善の利益は守られていますか?(第3条) 子どもたちは自由に自分の意見を言えていますか?(第12条) 子どもたちはゆっくり休んだり、自由にあそんだり、やりたいことに没頭したりできていますか?(第31条) 日本の社会をみたときに、子どもの最善の利益を考えてものごとが決められているかな?と考えると首をかしげてしまいます。また、最近の子どもたちの忙しさも危惧しています。国連子どもの権利委員会からの最新の勧告(2019年)では、日本が緊急措置をとるべき分野として、差別の禁止や体罰などと共に、子どもの意見の尊重が挙げられています。 「こどもの日」を機会に、子どもたちの権利が大事にされる社会に近づいていってほしいと切に願っています。和光幼稚園も和光小学校も、子どもの権利を大事にする園・学校です。ここに在る子どもも大人も自分の意見を言いやすい風土がその質の担保に重要だと感じています。

誇らしげな3年生

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昼休みに技術室の前を通りかかると、3年生の姿がいっぱい! あれ?授業の時間??と思ったほどでした。 よくみると、それぞれが数人ずつのグループで、ノコギリ・ヤスリ・ペンやらを使って、いろいろなものを作っている! 「これは家に置く、置き物!」「家族へのプレゼント!」「家を作ってるんだ!」「何かわからないけど作ってる!」 (←色々なものを組み合わせて素敵なオブジェみたいになっていました。)  これは、昼休みに行われている技術室開放の時間のことでした。 3年生になって始まった技術の授業。新しい技術の授業に期待していることが子どもたちからバシバシ伝わってきます。3年生になったから技術が始まる!という誇らしげな表情が印象的です。そしてなんといっても嬉しそう!こうやって大きくなることが喜びになっている子どもたちの姿、そんな学校生活がいいなと思いました。

入学式での校長式辞

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  和光小学校校長の帯刀彩子です。 1年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんが和光小学校に来てくれる日を、和光小学校の子どもたちも、先生たちも、楽しみに待っていました。2年生から6年生の皆さんは、1年生が気持ちよく入学してもらえるように、様々に準備を進めてくれました。   和光小学校は、とっても楽しいところです。友だちとあそぶのも楽しいと思いますが、授業もとっても楽しいです。先生たちが、みんなが楽しめるように、色々と工夫しています。それだけではなくて、みんなも一緒に授業を創っていくのが和光小学校です。おもしろい、これはよくわからない、どうして○○なの?そうやってみんなが思いを出すことで、和光小学校の授業は、どんどんおもしろくなっていきます。ぜひ、自分の思いを出していってくださいね。そして、今日から、自分たちの1年1組、自分たちの1年2組をみんなで創っていってくださいね。   和光小学校のことでわからないことは、ここにいる2年生から6年生のお姉さんお兄さんたちが教えてくれると思います。和光小学校にいる誰に聞いてもいいからね。 実はね、私もこの4月に和光小学校に来たばかりなんです。3月までは、隣の和光幼稚園にいました。だから、実は和光小学校のことがよくわからないのは、みんなと一緒です。   これからどうぞ、よろしくね。   保護者の皆さま 本日は、お子様のご入学、まことにおめでとうございます。 これから、皆さんと一緒に、子どもたちの成長を見守れることを嬉しく思います。   和光小学校から、担任から、クラスや学校での子どもたちの様子が様々に発信されると思います。ぜひ、子どもたちがどんなことに関心をもっているのか、どんなことにつまづいたのか、どんなことを呟 ( つぶや ) いたのか、どんなことを考えているのか、関心をもって受け止めてほしいと思います。和光小学校はそういう学校です。そういう保護者の皆さんのまなざしが、子どもたちをより生き生きとさせることに繋がっていきます。   自分が大事にされるのは、子どもだけではありません。ここに集う大人たちもまた、一人ひとりが大事にされる学校です。保護者の皆さんも、力を抜いて、どうぞ子どもたちと一緒に、和光小学...

校長着任のご挨拶

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この度、和光幼稚園園長、和光小学校校長に就任しました帯刀彩子(たてわきあやこ)です。長年、和光幼稚園に勤めてきました。小学校教育に携わるのは初めてですが、和光は、子どもたち・教職員・保護者の皆で創る幼稚園・学校ですので、私にも務まるのだと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 本日、2023年度の始業式が行われました。久しぶりに、子どもたちの声で活気溢れる幼稚園・小学校でした。子どもたちの存在は、本当に社会を明るくしてくれます。和光の子どもたちは、なんでこんなにも仲がいいのでしょう。男女分け隔てなく仲良し、先生たちとも仲良し、他の家庭の保護者とも仲良し。大学を出て初めて和光幼稚園に来た時に、一番に驚いたのはこのことでした。自分の育ってきた環境とあまりにも違う。私を知らない小学生たちも人懐っこく話しかけてきてくれたのでした。そして、自分を安心して出している。それは人への安心感・信頼感があるからですよね。それが、子どもたちの強み、そして和光の強みだと思っています。 小学校の始業式での、担任発表!!発表されるたびに様々な歓声が挙がっていて、そんな風に自由に表現する子どもたちが素敵だなと思いました。そんな子どもたちと過ごすこれからの日々が楽しみです。

夢中になることを見つけ、ゆったりと伸びやかに ~和光幼稚園保護者のみなさまへ 退職にあたって~

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3月21日付のブログが最後のブログの予定でしたが、和光幼稚園の保護者のみなさまへのごあいさつを改めて園通信に載せて頂くことになり、紹介させて頂きます。 今度こそ、ほんとうに最後のブログとなります。長い間ありがとうございました。 子どもの森の満開の桜に見送られ、星組の子どもたちが卒業したのは十日前のことでした。和光幼稚園で楽しかったことを話して卒業証書を受け取る子どもたちの誇らしそうな顔!3年間、あるいは2年間の和光幼稚園での日々が充実していたことを感じさせてくれる卒業式でした。 星組の子どもたちと共に、私も42年間お世話になった和光学園を卒業しました。保護者のみなさまへのご挨拶が遅くなりましたこと、お詫びいたします。 1981年4月、大学を卒業したばかりの私は和光幼稚園に赴任し、月1組の担任になりました。当時は3歳児花組32名(花1組、花2組それぞれ16名ずつ)、4歳児月2組32名を募集し、三年保育の子どもたち32名は月1組に進級します。まだ三年保育を選択する保護者の方が少なかった時代でした。 その頃、和光幼稚園の園舎は今の小学校工作技術室や調理室になっている場所にあり、今の園舎のあたりには「アラモの砦」と呼んでいた遊具やうんてい、砂場などがありました。 グランドの片隅にアヒル小屋があり、このアヒルはよく卵を産みました。先日のバザーで和光小学校の保護者となった卒業生の方が、「アヒルの卵でしょっちゅうホットケーキを焼いてくれたのがうれしかった」と声をかけてくれました。アヒルの卵は大きくて、担任をしていた花2組16人の子どもたちが食べるホットケーキを焼くには十分でした。 当時、星組は群馬県水上町にある湯檜曽温泉で三泊四日の合宿を行っていました。「日本一のモグラ駅」として知られる隣の土合駅まで電車に乗り、462段の長い階段を上るのも楽しみの一つでした。そこから谷川岳一の倉沢までが山登りのコース。岩壁の峡谷を眺めながらおにぎりを頬張り、キュウリをかじる時の子どもたちの顔は達成感と充実感に満ちていました。山登りの日も川遊びの日も、お昼寝の後はホテルのプールで水泳。ほぼ全員が“トントンポカーッパッ”の呼吸法をマスターして10メートルほどは泳げるようになっていました。 和光幼稚園で3年、月組と花組の担任をした後和光小学校へ異動になり、11年後に和光鶴川小学校へ。鶴小では19年間お...

和光学園は私の人生そのものです! ~和光学園 退職にあたって~

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  今年も6年生に卒業証書を手渡し、たくましく成長した姿を見送ることができました。ひな壇に並んだ卒業生を正面から見つめながら、本当に幸せな日々を過ごさせていただいたとしみじみ感じていました。 私が和光学園に赴任したのは1981年4月、今から42年前です。教員になりたい、という強い意志があったわけではなかったのですが、女性が自立して生活していくためにどのような職業を選ぶべきかと考えた末に教員を目指したというのが正直なところでした。 私は奈良県の大宇陀、日本最古の能舞台がある阿紀神社の近くで生まれ、父親がのれん分けしてもらった印刷屋を大阪で開くことになり物心ついたころに大阪へ。その後、高校卒業まで大阪城公園の目と鼻の先、森ノ宮というところで育ちました。母方の祖父母がいた奈良県の榛原は自然豊かな山里で、夏休みも冬休みも春休みも、いとこたちと野山を駆けまわって遊んだことが子どもの頃の一番の思い出です。 大学入学とともに上京し、大学での学びの中で、子どものこと、女性の問題などを考えるようになりました。一時はジャーナリストになりたいと考えていたのですが、当時、新聞社はもちろん出版社も、ことごとく女子学生については自宅から通うことが応募の条件となっていました。女性を一社員としてまともに扱おうとしていないことに失望し、かろうじて男女平等の扱いがあるのは教員だったのが教職を目指した一番の理由でした。子どもの頃、母方の祖父が小学校の校長をしていたのも影響していたのかもしれません。大学に募集が来ていた和光学園のことを、恥ずかしながらあまりよく知らず、友人から丸木政臣先生のことを聞いたのが応募するきっかけとなりました。(このあたりのことは夜に語る会で詳しくお話しさせていただきました)小学校に応募したら、今回は理科専科の募集なので幼稚園でどうですか、と連絡があり、和光幼稚園教員に採用していただきました。 幼稚園の3年間は、社会人としても教員としても一から学ぶことばかりで、失敗ばかり。思い描いていた「自立」とはこんなに大変なものなのかと思い知らされました。それまで机上で学んでいた子どものこと、保育、教育のことを手探りながら実践し、試行錯誤しながら学び続ける日々でした。当時も幼稚園と小学校は同じキャンパスにありましたが、子どもたちの交流も教員たちの合同研究もなく、内部進学する子どもたちは...

どう考えるかを問いかけ、行動を起こすこと ~2022年度卒業式 式辞 6年生の姿から学んだこと~

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毎年、和光小学校の6年生には小学校で積み上げてきた学び、体験が大きく花開くことを感じるのですが、今年ほどその想いを強くしたことはありません。それどころか、自分は何をすべきかを何度も考えさせられました。 1組のKさんが手紙を届けてくれたのは6月のことでした。「マイクロプラスチックストーリー」のアンバサダーになり、環境活動家の方の講演会に参加した、その方は世代も近い方なので学校にお呼びして講演をしてもらってはどうか、映画の上映もできないか、という内容でした。担任の先生もクラスや学年で映画を見ることができるのでは、という提案をしたようですが、Kさんは和光小学校のもっと多くの子どもたちに知ってもらいたい、という気持ちを持っていました。 「学校で考えます」という返事をすると、「小学校生活最後なのでやり残しがないよう、環境問題に力を入れています。自分で作った手書きのポスターを世田谷区の区長さんに届けに行き、羽根木公園の2カ所の掲示板に貼って頂けることになりました。」という返事が届きました。 その後、児童会での上映会ができるかなど方法を探り、その間もKさんと何度かお手紙のやり取りをしました。 同じクラスのMさんが児童会執行委員長になり、Mさんからもお手紙をもらいました。「学校をよりよくするために立候補したけれど、児童会の要求運動はスケールが小さいし、スピードも遅い、KとMとAでSDGs委員会を作った、この映画を上映したい」という内容でした。この時SDGs委員会に私も誘ってくれました。 さらにKさんから映画を上映したい理由として、自分自身がこの映画を見て変わることができたから、という手紙が届き、そこには「1人の100歩より100人の1歩」になるように、と力強く書いてありました。 ちょうどこの映画を親和会主催で2月に上映することがわかったので、上映にかかる費用や時間のことも考え、「休み時間に上映するので全校の子どもたちに呼びかけてみてはどうでしょう。」と相談しました。すると「私たちは全校生徒に観てもらいたいのでその提案には反対です。授業の時間を使ってみんなに観てもらいたい!」と、SDGs委員会から、抗議に近い内容の返事が来ました。 授業時間を使うこと、特に全校でというのは急には難しいことを理解してもらい、2月中旬、ロング昼休みを2回使って上映会を行いました。その時、全校のみなさんに呼...