第91回卒業式 校長式辞

 


6年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。小学校生活は長かったですか? 短かったですか?今、思い出すのはどの場面でしょうか。私は、皆さんが6年生になる時に和光小学校に来たので、皆さんが6年生の時の姿が印象に残っています。中でも、この1年間沖縄について皆さんと学んできたことです。沖縄学習は、まさに和光小学校の集大成の学びだと思いました。1・2学期は、和光小学校の先生たちとの学びを中心に、沖縄について様々な角度から学んできました。沖縄戦で亡くなった24万人の方々の名前を読み上げるプロジェクトにも参加して、伊江島で亡くなった方の名前を読み上げました。10月には、実際に37回沖縄学習旅行団として沖縄に行って、玉木利枝子さんや謝花悦子さんのお話を聞いたり、沖縄戦で人が人じゃなくなるようなことが起こったことを肌で感じ、伊江島や辺野古では、まだ戦争の問題が終わっていないことも知りました。3日目の夜の学級集会では、自分とは違う色々な感じ方、考え方があることを知り、自分の考えもまた揺さぶられたと思います。 東京でも議論は続きました。戦争は起こしてはいけない、ということは多くの人が感じたと思いますが、では基地をどうするかの議論になると、答えはでません。答えが出ないことに、皆さんはどう感じますか? 面倒だから考えるのをやめてしまいますか?私は、この「答えが出ない」ということがとても大事だと思っています。 社会ではそういうことがたくさんあります。答えが出ないから関心をもつのをやめてしまうのではなく、関心を持ち続けるということです。それが社会を創っていく、ということです。まさきさんは、沖縄戦やその後の出来事を「教育」というキーワードで考えていました。言われたことをそのまま受け取ってしまったから戦争が起きる。でも、自分たちも同じではないか。学校で教わったことを何も考えずに鵜呑みにしたら、もちろん言われている中身は戦争の時とは違うけれど、でもそこから自分がどう考えるかが大事ではないか、と言っていました。教育とはまさにそういうものだと思います。これからも考え続ける人になっていってもらいたいと思います。そこには、和光小学校で感じたこと、学んだこと、培ったことが引っかかってくることでしょう。 

もう一つ、伝えたいことがあります。それは、人と繋がる、ということです。和光小学校の教育は、人との繋がりの中で行われてきました。話し合いもたくさんしてきたと思います。時に面倒に感じたこともあると思います。それでも友だちと繋がっている皆さんはとても楽しそうでした。繋がりたい思いをもっていることは人を豊かにしてくれます。その思いは皆さんに大きな力をくれます。これからもたくさん繋がっていってください。

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 6年生の保護者の皆さま、本日はお子様のご卒業、まことにおめでとうございます。こんなに保護者が足を運ぶ小学校は他にはないと思います。様々な引率・・・授業に来てくださる様々な方の企画へのお誘い・・・親和会活動・・・そして行事・・・子どもたちと教職員だけではなく、保護者の皆さまも含めて皆で創る学校、まさに三位一体の学校です。子どもたちの成長を共に見つめ、支えてこれたことを嬉しく思います。本当にありがとうございました。 

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 卒業生の皆さん、これからものびやかに羽ばたいていってください。

 卒業おめでとう!

 2024年3月18日 和光小学校校長 帯刀彩子


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